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PESTIプロジェクトの概要

PESTI(=ペスティ)は,「STI(科学技術イノベーション)に向けた政策プロセスへの関心層別関与フレーム設計」(プロジェクトの英語名はFramework for Broad Public Engagement in Science, Technology and Innovation Policy)の略称である。

PESTIプロジェクトは,科学技術イノベーションに対する国民のニーズを科学技術イノベーション政策形成過程に反映させるための方法論・仕組みを開発・構築・実装することをその活動の中心に据えており,その活動を通じて,より民主的かつ根拠に基づいた政策形成の実現を目指している。

PESTIは,文部科学省が所管する独立行政法人科学技術振興機構(JST)社会技術研究開発センター(RISTEX)が推進する「戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発):科学技術イノベーション政策のための科学研究開発プログラム」の一つとして2012年に採択された。これは,文部科学省が進める科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業(SciREX=サイレックス)の一部としても位置づけられている。

→PESTIの位置づけ


PESTIを構成する各グループの活動

PESTIは,5つのグループ(「セグメンテーション・ニーズ発掘G」,「場づくり・仕組みづくり・社会実装G」,「実務家連携G」,「専門家連携G」,「実践評価G」から構成されている(下図)。

実務家連携Gは政策担当者や研究費配分機関の担当者との連携関係を構築し,実務家がプロジェクトに対して持つニーズを探索したり,プロジェクトからの知見や成果を実務家が利用できるようにするために必要な情報を収集するためのグループである。セグメンテーション・ニーズ発掘Gは,これまで漠然と捉えられていた「国民」を,「科学への関心」や「政策への関与」の程度について異なる属性を持つ小集団(=セグメント)から構成される集団として捉え直すための手法を開発し,場づくり・仕組みづくり・社会実装Gは,そのような多様なセグメントが政策参画活動に,より積極的に関わる場・仕組みを開発・実装することを目指し,実践評価Gはそのような開発・実装の実践を批判的・建設的に検討し,評価を行う。専門家連携Gは,科学者・工学者といった研究者や産学連携コーディネーターと連携・協働し,多様な国民ニーズに基づいて作成される多様なSTI政策メニューの正当性・合理性・信頼性などについての専門家コメントを収集することを主たる業務とする。

→PESTIの活動形態について


「夢ビジョン2020(文部科学省版)」の概要

「夢ビジョン2020(文部科学省版)」は,文部科学省の若手・中堅職員が中心となって2014年1月に策定された社会の将来ビジョンである。2013年9月に下村文部科学大臣が東京オリンピック・パラリンピック担当大臣に任命された際,下村大臣より「2020年を単に五輪開催の年とするのではなく,新たな成長に向かうターゲットイヤーとして位置づけ,東京だけでなく日本社会を元気にするための取組を『夢ビジョン』として打ち出し,社会総掛かりで実現していく」ことが表明された。「夢ビジョン2020」はこれを受けて策定されたものである。策定に当たっては,省内アイディア公募のほか,若手のアスリートやアーティスト,研究者らとの対話を実施した。

本調査はこのうち科学・技術に関わる部分に特に注目し,ビジョンの実現可能性や想定される科学・技術要素を検討するものである。

「夢ビジョン2020(文部科学省版)」の詳細はリンク先の図もしくは文部科学省のウェブサイトを参照


夢ビジョンカードの導出手順

夢ビジョンカードは,2020年の東京オリンピックを通過点とした2030年の日本の社会像・日本社会の望ましい在り方・そこでの科学技術の在り方(=夢ビジョン)についての国民からの意見を集約したものである。

この夢ビジョンカードを作成するに当たり,まず夢ビジョンについての参加型ワークショップを行った。ワークショップは,20〜30名程度の参加者に5〜6人毎のテーブルに分かれて着席してもらい,そこにPESTIからのファシリテータを1人ずつ配置する形で行った。また,全体をまとめるモデレータも置き,テーブル毎の議論と全体での議論がバランス良く混ざり合うよう工夫した。ワークショップでは,テーブルごとに参加者同士で話し合い,アイデアを付箋に書き出し,それをテーブル大の模造紙上にマッピングし,テーブル毎の総意をまとめ,それを会場全体で共有した。このワークショップと平行して,夢ビジョンについての国民の意見を集めるためのアンケート調査を,日本科学未来館で行われた科学コミュニケーション関連イベント等の機会に行った。また,文部科学省内で行われた関連のワークショップにおいても,同省の職員や関係者らの夢ビジョンについての意見が収集された。

こうして収集された夢ビジョンについての国民からの意見は,付箋に書き込まれた単語や文章,ワークショップで使われた模造紙,ワークシートといった様々な形態をとっていたが,これらを全てセンテンスレベルの「夢ビジョンカード」の形に統一するように整理した。この作業により,全部で119枚の夢ビジョンカードが生成された(国民からのニーズ・意見のカードが73枚,文部科学省からのニーズ・意見のカードが46枚)。生成した夢ビジョンカードはカテゴリ毎に集約され,3層のカテゴリ構造をとるように整理された。


科学技術・学術政策研究所「科学技術予測」の概要

「科学技術予測」は文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)が実施する調査である。本調査は科学・技術とその成果がもたらす将来を描くため1971年以降5年ごとに実施されている。本調査は,中長期の未来展望であること,多数の専門家が調査に参加していること,及び,科学者・技術者といったシーズ側の視点だけでなく,需要側の視点や人文・社会科学の専門家の視点も取り入れた広範な議論を行っていることを特徴としている。

調査に当たっては,デルファイアンケート,シナリオ作成,ワークショップなど複数の手法を組み合わせ,目指すべき社会の姿を描き,その実現に貢献する科学技術を抽出している。

調査の詳細はNISTEPのウェブサイトを参照。


夢ビジョンカードと「科学技術予測」との接続

夢ビジョンカードによって示された国民からの意見について,それを実現するために利用可能と思われる科学・技術要素を最新の「科学技術予測」から抽出し,対応付けを行った。夢ビジョンカードを内容別に10の「シーン」に分類し,個々の「シーン」に対応する科学・技術要素を紐付けた。この作業はPESTIのほか文部科学省の行政官に加えて,文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP),科学技術振興機構研究開発センター(CRDS),政策研究大学院大学(GRIPS)等の専門家によって構成された検討チームによって行われた。

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jv2020_j.pdf
(1059k)
Member PESTI WEB,
2014/12/10 20:37
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Member PESTI WEB,
2014/12/10 20:21